Message from the Director
小牧市民病院は愛知県尾張北部医療圏の急性期病院です。29診療科、病床数558床(緩和ケア病床14床を含む)で、救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院、災害拠点病院の指定を受けています。厚生労働省による急性期医療を提供している病院群の分類では、DPC特定病院群(大学病院本院に準じた機能を持つ病院)に認定されており、救命救急センターを持つ病院としての救急医療、がん診療連携拠点病院としてのがん診療、そして高次医療を提供することが当院の果たすべき役割になっています。現在、より高機能な病院を目指した新病院の建築が進んでおり、ちょうど新元号に改まる予定の2019年5月1日に開院を予定しています。
当院での初期臨床研修の中で重要視しているのは救急外来での研修です。年間の救急車搬送数は年間7,800人を超えており、救急外来には1次から3次救急まで幅広い患者さんが受診されますので、救急科および関係各科の上級医の指導の下、ファーストタッチで豊富な症例を経験することができます。独歩で来院された軽症患者の治療から重症患者に対する初期対応、救急診療に必要な検査、手技、治療法まで幅広く対応しながら、日常的にありふれた症状で受診する患者さんに潜んでいる重篤な疾患を見逃さない能力の習得も目指します。
当院の臨床研修理念は、「『恕(じょ)の心』を持って、謙虚、感謝の念を忘れずに、プライマリ・ケアの診療が出来る医療人を育成します」です。 『恕の心』とは、「人を思いやる心」、「ゆるす心」を意味しますが、不安を抱えて受診した患者さんに親身に対応することで、良好なコミュニケーションが可能になり、結果的に潜在する病気に気づくことや、重症化を未然に防ぐことにつながります。また、『恕の心』の対象は患者さんだけではなく、病院職員同士がお互いにもちあうことも重要です。近年、医療現場でチーム医療が広く行われるようになり、職員間の良好なコミュニケーションは医療の質の向上、医療安全に寄与することが指摘されています。日々の臨床業務の中で、患者さんや職員との良好なコミュニケーションを通じて、優れた「プライマリ・ケアの診療が出来る医療人」としての人間形成ができるようにサポートしていたいと考えています。